メダカの飼育方法

はじめに・・・
メダカの遺伝子には地域差があり、野生のメダカは、住んでいる場所によって種類が違います。決してほかの地域のメダカを放流し、その地域に元々いたメダカや他の生物の生態系などを崩さないようにようにしましょう!! 販売されているメダカは決して自然界に放流しないようにしましょう!!
メダカは、真冬の水面に氷が張った状態や夏の高い水温になっても生きていける非常に強い生き物です。また一か月ほど水替えをしなくても生きています。しかし、出来る限り良い環境でメダカを飼育していただきたいと思います。下記のメダカの飼育方法が少しでも参考になれば幸いです。

1、メダカを飼育前に必要なものをそろえましょう。

メダカを飼育する前に最低限、次のものをそろえましょう。

メダカを飼う容器(水槽)

メダカの飼育では、すいれん鉢、ガラス水槽、プラスチック容器、発砲スチロールなどの容器が飼育に適しています。
出来る限り、容器は大きなものが理想です。メダカ1匹に対して最低でも1リットルの水を用意しましょう。また、水が多ければ多いほど水質も悪化しにくくなり、水温の急激な変化も少なくます。しかしながら、大きな容器だと、場所をとる等のデメリットもあります。
これからメダカの飼育を始められる方は、まず10匹から30匹ぐらいで飼育を始めるといいと思います。固体密度が高くなると、酸素不足になったり、メダカの成長、産卵に悪影響を及ぼしますのでメダカの入れすぎには十分注意してください。
  • すいれん鉢や発砲スチロール
  • 外気の影響を受けにくく、水温の変化も緩やかになりますので、屋外飼育に適した容器です。

  • ガラス水槽
  • メダカを横から観賞したい場合に適しています。ただし屋外飼育にはあまり適しまん。

  • プラスチック容器
  • 100円ショップ等で売っている容器でも飼育できます。いろいろな種類の交配にも手軽に利用できます。

底床

容器の底にはなるべく底砂を敷いてください。底砂に繁殖したバクテリアや微生物によって、底に溜まったメダカの排泄物や餌の食べ残しなどの有機物を分解し、その結果、水が浄化されます。
メダカの飼育にはホームセンターやペットショップなどで売られている専用のものがありますが、私は「園芸用品の赤玉土」を好んで使っています。

水草

水草にも水を浄化する作用がありますので、なるべく入れてください。また、水草は水中に酸素を補給する役割もします。そして水草によってはメダカのよい産卵場所、隠れ場所になったりもします。
  • ホテイソウ
  • 根から水中の余分な栄養分などを吸収し、水を浄化してくれます。また、この根がメダカの産卵場所として最適です、ただし根がある程度根が伸びてきたらカットしたり、葉が一面に茂ってきたら株を間引いたりしてください。

  • その他
  • ホームセンターやペットショップなどで購入した水草やスイレンなどの水生植物

その他にも網(タモ)、水換え用のホース、バケツ、水温計など必要に応じて、徐々にそろえていきましょう。

2、飼育水について

メダカの飼育では飼育水が重要な要素です。ほとんどの方が水道水を使用されると思います。水道水には殺菌の為に塩素が使用されています。この塩素がメダカにとっては有害です。
水道水を使う場合は一昼夜、水を汲み置きしておきます。そうすると自然に水中から塩素が抜けます。また、普段はバケツなどに水を常に汲み溜めておき、水換えに時にすぐに使用できるようにしておくと便利です。
すぐに水道水を使わざるをえない場合には、市販のカルキ抜きを使用方法に沿って使用してください。

3、飼育場所について

日光は飼育水と同様にもとても重要になります。日光に当たることにより、メダカは丈夫に育ち、また健康な状態を保てます。出来る限り日光が当たる場所で飼育してください。
室内飼育の場合、いつでも好きな時にメダカ鑑賞できるのは魅力です。しかし、室内飼育ではどうしても光が不足します。その点から考えるとメダカは屋外飼育が理想です。
屋外飼育の場合、夏場の暑い時期など水温が上昇しすぎる場合があります。そのような時は「よしず」や「すだれ」などを利用し、日陰を作るようにします。

4、水温について

メダカが生きていける水温の目安は2℃から38℃ですが、真夏にあまりにも高温になる場合は「よしず」や「すだれ」などを利用し、日陰を作るといいでしょう。真冬では水が完全に凍ってしまわない限りはメダカは生きていけるでしょう。

5、餌について

メダカは自然界ではプランクトン、ミジンコ、ボウフラ、植物、小さな昆虫などいろいろな物を食べています。屋外飼育の場合、自然とそれらの物が飼育水の中に繁殖する場合があります。
しかし、それだけでは餌の量は限られていますので飼育者がきちんと与えましょう。与える餌はホームセンターやペットショップなどで売られているメダカ用の人工餌を与えます。与える餌の量は、2~3分位で食べきれるくらいの量を与えます。食べ残しが出るとそれだけ早く水も悪化しますので、多いよりは少ないと思うぐらいのほうがいいと思います。
与える回数は夏はメダカもよく活動しますので、最低でも1日2回、春や秋は1日1回は与えてください。冬は水温も下がり冬眠に近い状態になる為、餌を与える必要はありません。
人工の餌以外にも、ミジンコ、糸ミミズ、赤虫、ブラインシュリンプなどの生餌もよく食べます。ただ、これらの生餌は人工餌に比べ手が掛かり、価格も高くなりますので必要に応じて与えるとよいでしょう。

6、水換えについて

メダカは冬場の水温が低い時は、メダカはほとんど活動しません。よって餌は与えなくてもかまいません。その結果、排泄物も少なく水質悪化はほとんどありません。したがって冬場の時期は水換えの必要はありません。
しかし、春から秋の間は水質悪化に十分に注意しなければなりません。特に夏場は、メダカも活発に活動します。餌も大変よく食べます。その結果、排泄物も多くなります。この排泄物やエサの食べ残しが水中でアンモニアというメダカにとって非常に有害な物質を発生させます。
そこで活躍してくれるのが、水中に存在するバクテリアなどの微生物です。バクテリアは底床などに棲みつきます。そして、アンモニアを分解してくれます。しかし、バクテリアの繁殖にはある程度時間がかかりますので、飼育容器をセットしたての初期段階は注意が必要です。見た目はきれいな透明な水であっても実際にはアンモニアが蓄積されているということもあります。
重要なのはエサを与えすぎないようにすることです。食べ残しが出ないように餌を与え、そして適度に水換えをおこないます。水換えの度合いについては、メダカの飼育環境によって一概には言えませんが、週に1回程度、3分の1から4分の1は水換えをしてください。
この時に注意しなければならないことは、水温の急激な変化。そして、水道水を使うときはカルキを抜いた水を使うことです。水質悪化はメダカの体調、メダカの産卵数に悪影響を与えますので十分に注意しましょう。